不実な自由
私に強力なライバルが現れたのは私が二歳四か月のときだった。それは知らない強大な猛威をふる嵐の幕開け。

「妹」は私の家族に加わった。妹は性格も明るくて、いつも元気いっぱいのいたずらもので、私の存在は薄くなっていった。私とはまるで正反対、友達も多くよく男の子に間違われていた。私と妹はいつも、どこへ行くにも一緒だった。私が友達のところへ行くにも父親に言われあとをついてくるような子供だった。でも、妹はあまり丈夫ではなかった。それもあり、妹は祖父にとてもかわいがられた。でも、父親から私と妹は叱られっぱなしだった。祖父はそんな私たちに優しくしてくれた。とくに妹は執拗に父親から叱られていた。それを不憫に思っていた祖父はとくに妹をかばった。そのせいで妹は父親の格好の餌食になった。つまり、妹をかわいがる祖父は自分の父親なのに孫ばかり可愛がり自分の事は放りっぱなし。それを恨んで妹に八つ当たり。もちろん私もその標的に立派に選ばれた。ここからが、私の地獄への入口となっていった。
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