桜吹雪のなかで
友情②
俺達の街に、また春が訪れた。
俺は桜田公園の大きな桜の木の下にいた。
今朝、夢を見た。
去年のあの日の夢。
そんな夢を見たら、もしかしたらまたって思っちゃうじゃん。
来ていたとして、見つけられるかなんて分からない。
もう、1時間。
2時間。
何やってんだ?
会ったとして、どうなる?
詩織じゃない。
前に進むって決めたじゃないか。
帰ろう。
そう思って歩き出したとき、
祐樹の姿があった。
話しかけようと思ったとき、向こうから彼女が走ってくるのが見えた。
おもわず身を隠してしまった。