桜吹雪のなかで
友情
季節は変わり、夏。
二学期を迎えていた。
今日も授業をサクッと終わらせて、祐樹の教室に向かう。
はぁ、
また寝てる。
俺は爆睡している祐樹のところへ行って、手に持っていた鞄でバシッとしばく。
「っ...ぃった!!何すんだよー。」
「ははっ。帰るぞ。」
そう言うと祐樹はかばんパンパンに教科書を全部詰め込め始めた。
俺も全部入ってるから、そりゃあ痛かっただろうな。
俺達の負けず嫌いは相変わらずだ。
こないだ終わった体育祭でも、俺らはかなりの活躍ぶりだったしな。
俺らはクラスが違うけど、一緒だったらどうなってたかな。
「おまたせ」
「おぅ。帰るか。」
「そう言えば4組に転校生が来たってよ?」
祐樹が口を開いた。
「男?」
「女。美人ちゃんだって。」
「ふーん」
「ふーんって...」
「だって校舎も違うじゃん」
「まーねぇ」
1年正は1、2組と3、4組で教室の都合上で校舎が違う。
俺は1組。
祐樹は2組。
だから、3、4組とはほとんど関わりがない。