モノクロ恋愛
『あっ、詩織の彼氏ってあいつ?』

私は顔をハッとあげた。

「ぁっ、うっうん。」

それはついさっきまで会いたいと思っていた正輝の存在で。

でも今は会っても嬉しくない。

これが私の本音だ。

今はただ、この胸の奥がギューってなって、

罪悪感がわくだけ。


『よかったな。ほら、早く行けよ!』

「え?」

健悟は私を前にぐいっとおした。

『俺と一緒に行けば彼氏、嫉妬しちゃうぢゃん。な?』

あ、そうか。

健悟は人の気持ちを読み取るのが優れてるんだ。

優しいな。

でも、きっと心の中は悔しい思いでいっぱいなんだね。

ごめんね。

ごめん、健悟。


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