いじめ…くずれていく
朝、ざわめく教室へついた。
このあいだのあの事があったからか、心が躍っている。
コウに会うのが楽しみで仕方ない。
「おはよー!」
ガラガラと扉を開けると、頭に何かが落ちてきた。
…これは、黒板消しだ。
かなり掃除していないらしく、真っ白になっている。
呆然とするあたしを見て、教室中がゲラゲラと笑い出す。
ここ数日の芽亜利の態度から、芽亜利があたしの事を嫌っているのはなんとなく分かっていた。
でもそれが…たった数日で、クラス中に広まってしまったの?
さらに席につくと、強い光があたしの目を差して来た。
その光の中で、芽亜利たちがにやにやしているのが分かった。
最初はこの光に耐えていたけど、目が痛くなってきて席を外した。
この時は、一時の嫌がらせだと思っていた。
でも、…違ったんだ。
…この日から。
この日から、いじめという地獄が幕を開けたんだ…。