(架空)執事と私
5 架空執事と私
執事、回想。

執事(お嬢様の御母堂(ごぼどう)が残した手帳。

そこに何が書かれていたのか。

でもお嬢様はその手帳を読み、泣いていた。
普通の泣き方ではなかった。

そして、次の日、お嬢様からその手帳をわたされた。

”いつかこれを手ばなせるようになりたいんだけど、いまはできない。だから、前田さん”

あずかっていてほしいと。

自分の視界に入れるのも、嫌だったのか)




執事(お嬢様は、眠れなくなった。御母堂が亡くなって、薬を飲んだらぐっすり寝られるけど、次の日、薬が残って頭がもやっとすると言っていた。

飲まないで寝ても、途中で起きてしまう。

もうずっと、あれからずっと。

だから、記憶力だって、悪くなっているのかもしれない、

”でも、しょうがないのよね。しょうがない。

しょうがないって受け入れるほかない”)
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