モノノケモノ
少しショックを受けた。

あんなに真っ直ぐこっちを見て酷い言葉を言われたのは初めてだ。


「フラフラ生きてるかもしれないけど、わざわざ言わなくても……」


ブツブツ言いながら、玄関をくぐる。

サンダルを片方脱いだところで、またチャイムが鳴った。

「あの少年、まだなんか用事があるのか」


サンダルを履きなおし、溜息をつきながら扉を開ける。


「まだ何か?」


「あ、ごめんなさい」


冷たい口調で発した言葉への返事は、女の子の声だった。

そこに立っていたのは、可愛い女の子。

釣り目がちで、勝気な感じはするが口元に浮かんでいる優しげな笑みがそれを打ち消している。

年は……私と同じくらいか。
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