モノノケモノ
猫族。

ちょうどいい。

いづれ訪ねて行こうと思っていたが、なんとなく先延ばしにしていたから、この機会に秀の父親の可能性がある人がいないか聞いてみよう。

彼女は、ためらうように目をキョロキョロとさまよわせてから口を開いた。


「あの、今日の夜、猫族の春祭りがあるんです。

それに参加してもらえないかなって思って」


なんだ、そんなことか。


「いいですよ。

他にも連れて行ってもいいですか?

うちの弟なんですけど」


私の言葉に、彼女は申し訳なさそうな顔をする。


「あの、ごめんなさい、お祭りは男子禁制なんです」


「ああ、そうなんですか。

夜ですよね?

大丈夫ですよ」
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