モノノケモノ
でも、おぶって帰ってきてもらった、ということは。


「ってことはさぁ、さっきの、神社であったことって本当だったんだ」


「はぁ?

なにいっとるんじゃ。

頭打ってバカになったんか?

それとも元からバカだったんか?」


カナ爺が何気に失礼なことを言っている。

私は溜息をついて秀を見、頭を撫でた。


「いや、違うけど。

バカにはなってないけど。

秀を優しい子に育てるって言ったのに、あんな事させちゃって、カラスの人たちに『やっぱり』って思われるかなぁって」


カナ爺のほうを見ると、カナ爺はぽかんとした顔をしていた。

やはり人型のほうが表情がわかりやすくていい。


「なんでじゃ。

大切な人を守るために力を使うのは悪いことじゃないじゃろ」


「それにしたって程度ってもんがあるでしょうが」
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