モノノケモノ
「えーと……昨日はどうもお邪魔しまして……」


ああ!

私今日このセリフ2回目だ!


「いえ、こちらがご迷惑をおかけしたのです。

うちの日和子が、申し訳ありませんでした」


彼は深々と頭を下げた。


「いやいや!

あの後大丈夫でしたか?

ケガとか……お祭りに影響はありませんでしたか?」


私の言葉に彼は頭は上げてくれたが、目は伏せたままだ。


「皆怪我は治っておりますし、特に影響はありません。

多少準備は遅れましたが、いつもどおり良い祭りでした」


「はぁ。

それは良かったです」


ちらりとカナ爺を見ると、そら見たことか、という顔をしてこっちを見ていた。

だってやっぱり心配だったんだもん。
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