モノノケモノ
え、そうなんですか。

それは初耳。


「甚郎さんたちは、鬼の子の親になることが過ちだと思っておられるのですか」


「ええ。そうです。

掟に逆らうことは、過ちでしょう?」


「でも、人を好きになるのは過ちじゃないと思うんですけど……」


甚郎さんは沈黙した。

少しして、また話し始める。


「ヒトの世界ではどうかは知りませんが、そのような甘えを許さないのがモノノケなのです」


そうですか、と言うしかなかった。

私がモノノケに深く関わったのは本当に最近で、どんな考え方で生きているのかまだ全然知らないのだ、と、ただ思い知らされた。
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