モノノケモノ
「オレ、オマエに謝ろうと思って」


「何で?」


「昨日、言い過ぎた。

オレ別にオマエのこと良く知ってるわけでもないのに、あんなこと言うべきじゃなかった」


確かに彼が言ったことは暴言だったが、真実だ。

だから、謝る必要はない、と思った。

それに、その後のことが濃すぎて、言われたことすらすっかり忘れていた。


「別にいいよ。

確かに私はフラフラしてるし」


彼は特にフォローをする気はないようだった。

その代わり、また何か考えているようだ。

何回かもごもごと何かを言った後、意を決したように口を開いた。
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