モノノケモノ
「はぁ……そうだったんだ……。

でも、なんで『モノノケがいたんだろ?』って言ってくれなかったんだろ?」


「あの子もわしらと過ごした時間をもうほとんど覚えておらんのじゃろ。

確信がもてんのに、おまえさんに変なこと言うわけにもいかんと思ったんじゃろうな」


そうかな、いや、そうだな。

もし私がモノノケなんか全然知らない人だったら、何この変な人って思っただろうしな。


「んー、まあそうか」


「今度会った時におまえさんから話しかければよかろう」


「そうする」


私はにぃっと笑った。
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