モノノケモノ
私が着替えて顔を洗い、いつもより念入りに髪をなでつけてから居間に向かうと、月浦さんは朝ごはんを食べていた。

紫乃さんのお味噌汁はおいしいですね、とか言って祖母に笑顔を向けながら、ちゃっかりご飯のお代わりまでしている。

私も隣に座ってご飯をよそい、黙々と食べる。

まったく、この人は一体何をしに来たんだ。


「おねえちゃん、ビックリした?」


月浦さんの向かいに座った秀がニコニコしながら話しかけてくる。


「もー、すごいビックリしたんだからね!

心臓が喉から出てくるかと思った!

どれぐらい待ってたの?」


私の言葉にいっそう嬉しそうになった秀は、


「ないしょー」


と言って玉子焼きに手を伸ばした。

頬にご飯粒がついている。
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