モノノケモノ
死ぬってどういうことですか、と聞こうとした私の、し、ぐらいのところで、裏庭の方からガシャーン!と、ガラスの割れる音がした。

続いて廊下を走る音。

奥から順番にふすまを開ける音。

あっけにとられていると、私たちのいる居間のふすまがバーンと開いた。

そこに立っていたのは、カラス族の誰か。

モノノケ本来の姿をしているから、誰なのか見分けがつかないが、カラス族だということは肩の付け根の羽でわかった。

苦しそうに、右わき腹を押さえている。


「隊長!大変だ!

っていけねぇ」


ぐにゃりとその姿が歪み、そこには明星が、同じく右わき腹を押さえて立っていた。

思わず駆け寄る。
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