モノノケモノ
「族長大丈夫か!」


明星は、邪魔だと言わんばかりに私を背中からむしり取ってほうり投げ、族長に駆け寄った。

投げられた私はそのまま無様にしりもちをつく。

受け身など取れるはずもない。痛い。

腰をさすっている私には、秀とカナ爺が駆け寄ってくれる。


「族長、あれはどこだ?

怪我してないのか?」


族長は険しい顔で私の方を見た。

チッと舌打ちをし、「なんで連れてきたんだ」と言う。

「そんな言い方無いだろ!

こいつは族長の事心配して追いかけてきたんだぞ!」


族長はもう一度舌打ちをした。

そして、油断無く周りを見回す。


「さっきこのあたりであいつを見失った。

明星、お前はそこのヒトの子を守れ」
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