モノノケモノ
最終章 モノノケとヒト
私と秀は、並んでカラス達の前に立っていた。

秀は相変わらず私の手を握ってくれているが、1歳になった秀の背は私より20cm近く高くなっており、見た目は私より年上になっている。

そこは、テレビで見た裁判所のような部屋で、洞窟の中に一体どれだけの部屋があるのかと私は驚くばかりだった。

その上、ここで秀が今後外で生きられるかどうかが決定されるのだと思うと、緊張で胃の辺りがキリキリと痛み、意味もなく泣き出してしまいそうだった。

この間猫の日和子ちゃんと殴り合いのけんかをしていたけれど、あれが悪い影響を出していないだろうか。

そういえば、カナ爺と出かけて帰ってきたと思ったらはっぱと枝にまみれていたことがあったが、あの時何か悪いことをしてきたのではないだろうか。

悪いことばかり浮かんでくる。

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