モノノケモノ
「それでは裁判を始める。

まずは鬼の子、秀について」


きた。

私たちはピリリと緊張し、繋いでいた手を握り合う。

日垣さんが厳かに告げる。


「これまでの1年間を見ると、秀には外で暮らす権利があると思われる。

よって、秀は無罪。

今後も外で暮らすこと」


緊張が、ゆるりと解けた。

そうだとは思っていたが、やっぱりちゃんと言われると嬉しい。


「それに伴い、秀の両親、鈴香と水穂も解放。

本来なら秀が牢に入る際に開放されるべき翔太(ショウタ)の両親、李陽(リヨウ)と美空(ミソラ)も開放することとする。

翔太は寿命の延長により、引き続き牢にて監視。

意義のあるものは申し立てること」
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