モノノケモノ
家に帰ると、祖母とカナ爺が玄関前で待っていた。

2人も心配してくれていたらしい。

私と秀がそろって帰ってきたのを見て、ホッとした顔をした。

2人と一緒に家に入る。

玄関で靴を脱いでいると、カナ爺が秀に話しかけた。


「秀、これからもここに住むつもりか?」


日垣さんと同じことを言う。


「うちに住んだらいいじゃん。

なんか問題あるの?」


カナ爺は困った顔をした。


「特に問題はないが……。

秀、ずっと由香と一緒にはおれんということはわかっておるな?」


秀はこくりと頷いた。


「それでも、いられるだけ一緒にいたいから」


秀の言葉を聞いて、祖母はちょっと難しい顔をした。

祖母は私に学校に行って欲しいから、あんまり長い間ここに私がいることは考えたくないのだろう。

でも、私はここにいることにもう決めているのだ。

こっちの中学校に通って、高校に通って、大学は……考えてないけど、ちょっとでも長くここにいることにしたんだ。

このモノノケ達と一緒にいるために。



まあ、まずは中学校に通うところから、だけど。


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