モノノケモノ
「この約束って有名なんですか?

それともカラスが物知りなだけ?」


呉羽さんに聞いたのに、月浦さんが答えてくれた。

月浦さん、いつの間にか御飯を食べ終えてお茶をすすっている。


「有名ですよ。

それに伴ってあなたと紫乃さんも有名です」


「お前らのこと知らないヤツなんてモノノケでいないだろ。

特に紫乃は、成人過ぎても見えてる超珍しいヤツだからな。

お前もまだ俺達のこと見えてるなんて驚きだよ。

普通は見えても7歳くらいまでなのに。

現にお前の母親は見えねぇだろ?」


聞いてもないのに明星が割り込んでくる。


「へぇ……」


それは私と祖母が子供っぽいということか。

なんとなく複雑な気持ちになりながらも、食器を片付けることにした。

呉羽さんが手伝ってくれた。
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