モノノケモノ
鈴香さんの檻の前を離れてからずっと、月浦さんは黙ったままだ。
秀が牢屋に入れられずに済むよう、族長に会わせてくれたのは月浦さんなのに、その母親である鈴香さんに冷たいのはどうしてだろう。
私は正直、月浦さんの私たちに対する態度と鈴香さんに対する態度の違いに驚いていた。
鈴香さんを慰めるくらいのことはしそうなのに。
しばらくすると目の前に頑丈そうな両開きの扉が姿を現した。
族長の部屋の扉には派手な装飾がなされていたが、この扉にはそのようなものは一切ない。
それどころか、私と同じくらいの大きさの、重そうなかんぬきがかかっており、その前にはカラス族の中でも強そうな、族長よりもサイズの大きな人達が2人立っていた。
「鬼の子はこの中にいます」
月浦さんは私にそういうと、扉の前に立っている2人に「開けなさい」と言った。
秀が牢屋に入れられずに済むよう、族長に会わせてくれたのは月浦さんなのに、その母親である鈴香さんに冷たいのはどうしてだろう。
私は正直、月浦さんの私たちに対する態度と鈴香さんに対する態度の違いに驚いていた。
鈴香さんを慰めるくらいのことはしそうなのに。
しばらくすると目の前に頑丈そうな両開きの扉が姿を現した。
族長の部屋の扉には派手な装飾がなされていたが、この扉にはそのようなものは一切ない。
それどころか、私と同じくらいの大きさの、重そうなかんぬきがかかっており、その前にはカラス族の中でも強そうな、族長よりもサイズの大きな人達が2人立っていた。
「鬼の子はこの中にいます」
月浦さんは私にそういうと、扉の前に立っている2人に「開けなさい」と言った。