モノノケモノ
どこで覚えたんだ。

テレビか。

私が暇さえあればテレビを見ているからか。

今も付けっぱなしだからか。

痛みなんか飛んでいった。

なんだろう。すごい嬉しい。

意味のある言葉第一弾で呼んでもらえるなんて。

私は秀を抱き上げ、ひざの上に乗せる。


「痛いの痛いの飛んでいけーってしてよ。

こうやって」

腫れつつある私の手の上に秀の手を重ねる。


「痛いの痛いの飛んでいけー」


そして、秀の顔を覗き込む。


「机の下、危ないから気をつけるんだよ。

痛いからね」


私の気のせいかもしれないが、秀は、納得したような顔をした。
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