モノノケモノ
カナ爺とは長いこと知り合いをやっているが、そんな話は初めて聞いた。


「話がそれたの。

この森に住んでおるのは、狸と狐とカラス、それに猫と鬼じゃ」


「鬼?」


鬼も住んでいるのか。

そういえば虎のパンツは履いてないとか言っていたな。


「鬼はどこの森にも住んでおる。

鬼とは言ってもお前さんが考えている鬼とはだいぶ違うと思うがな」


「会ったことあるの?」


「いや、ない」


カナ爺はまたお茶をすすり、顎を撫でた。
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