モノノケモノ
そういったカナ爺はもう1つも黒く塗りつぶした。


「余った部分があるおかげで、両親の能力を受け継ぐことが出来るんじゃ。

これが、鬼の子が他のモノノケより強い理由の一つでもある」


「なるほどね。

じゃあ秀は、目くらましと何かもう一つ出来るようになるんだ」


カナ爺は紙を二つに丁寧に折りたたみ、ゴミ箱に捨てながらうなずく。


「そういうことじゃな。

じゃから、慌てんでも成人するまでには自然とわかる。

親を探すのはそれからでも遅くはないじゃろう」


秀は、自分の名前が出てきたせいか、私の顔を見上げる。

なんとなく頭を撫でた。
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