モノノケモノ
大きくなれば種族がわかるからって今探しに行く必要がないってわけじゃないだろう。

だって、母親の鈴香さんは牢屋に入っているのに、父親は無関係のような顔をして外にいるなんて許せない。

牢屋に入れ、というわけじゃないくて、責任は父も母も同じだろう、と思うだけだ。


「大きくなるまでなんて待てないよ。

行動することが鈴香さんや秀のためになるんじゃないかなって思うし、父親だけが逃げてるなんておかしいよ」


うちの森に住むモノノケの種類は多くないし、やる気のある時に訪ねていくくらい手間じゃない。

それに、カナ爺や鈴香さん以外のモノノケがどんな人達なのか興味がある。
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