モノノケモノ
「ほれ、着いたぞ」


確かにカラスの洞窟に行くのと同じくらいの距離を歩いたところで、カナ爺が足を止めた。


「こ、これ……?」


目の前にあったのは、ボロボロの寺だった。

サイズは、大きい。

一度だけ奈良に大仏を見に行ったことがあるが、大仏が入っているところぐらいの大きさがある。

しかも、屋根の数を参考にするなら、3階建て。


「今にも倒壊しそうだね」


「お前さん騙されとるぞ」


カナ爺が呆れたような声で言う。
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