この恋、遊びにつき。
「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ」


「あ、朋子ちゃんだ。コーヒー1つね」


「かしこまりました」



このカフェで働いてもう2年近くになる。

心地いい音楽と、落ち着く内装が大好き。

冬になると照明をランプからキャンドルにかえるんだけど、そうすると本物の北欧のカフェみたいになるんだ。

はじめてくるお客さんは、みんな緊張して入ってくるくらい。

でもそのうちみんなこの空間が好きになって、常連になる。

それは店長の人柄のおかげだと思ってる。


店長は自他共に認める美人姉妹。

キレイ系の姉・さゆりさんと、
かわいい系の妹・りえさん。

さゆりさんは聞き上手。
仕事の愚痴も、恋愛相談も、なんでも聞いてくれる。

りえさんは癒し上手。
どんなに疲れていても、イライラしてても、
りえさんの笑顔をみると安らぐという常連さんもしばしば。。


そのせいか、ビジネス街にあるこのカフェの客層は広い。

サラリーマンやOLはもちろん、
学校帰りの高校生・大学生、少し年配の方まで。

みんな気さくに話しかけてくれる。

おまけに名前まで覚えてくれるから、このカフェでは私を「店員さん!」って呼ぶ人は少ないの。

みんな「朋子ちゃん」。

さゆりさんとりえさんは、「さん」なのに
私はまだ「ちゃん」なのがちょっとショックだったりするんだけど。。


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