この恋、遊びにつき。
「いえ、特に。何かあったんですか?」

「ううん、最近帰るの早いなと思って。彼氏出来た?」

「まさか。いないですよ」

「じゃあ、また男遊びしてるの?」

「またって、そんな頻繁じゃないよ」



りえさんが割り込んできた。



「また朋子ちゃんにお説教?」

「いやいや、最近帰るの早いから彼氏でも出来たのかと思ってさ」

「確かに、ウキウキしてるわよね」



ウキウキって・・・そうかな?



「そうそう!ウキウキしてんのよ。ま、あの先生のときとは比べられないけどね」

そういってから後悔したように、さゆりさんは顔を歪めた。
みんなそう。
この話題には触れて欲しくないのに、触れてくる。
そしてその後後悔してる。
それなら言わないで欲しいのに。

そう思うけど、タブーな話題がある私が悪いのかもしれないから、怒りはしないよ。


「またいい人できたら言いますね。じゃあ失礼します」


飛び切りの笑顔を見せてお店から出た。

これでいいよね。


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