この恋、遊びにつき。
『結衣さんが悪い人だなんて、絶対無い』



keiさんのまっすぐな言葉が胸に刺さった。

どうしてこの人はこんなにまっすぐなの?

疑うことを知らないの?

もういい年でしょう?



この人は、本当にいい人なのかもしれない。

今までチャットで出会ってきた男たちとは違うのかもしれない。

そんな人を騙して、手玉にとるなんて…出来ないよ。







「結衣さん?」

「あ、ごめんなさい」

「電波悪いかな?」

「あー…うん、少し」

「今日はそろそろ切ろうか。結衣さんからかけてもらってるし、電話代気になる」

「いいよ、そんなの。気にしないで」

「気にするよ。女の子に電話代持たせるなんて、俺が嫌だ」

「そういうプライド、いりません」

「あはは。切ったらまたメールしていいかな?」

「もちろん」

「じゃあ、今日はありがとう」

「こちらこそありがとうございました」

「またね、って言っていいのかな?」

「うん、いいよ」

「…今少し照れたでしょう?」

「う、うん」

「かわいいね、やっぱり」

「いいから!おやすみ!」

「おやすみなさい」



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