この恋、遊びにつき。

習慣。

keiさんと電話をしてから、私は他の遊びの男たちと関係を絶った。

アドレスも電話番号も消去。

大学の知り合いだった男は、会っても愛想笑いにとどめるようにした。

といっても元々やましいことをしてた訳じゃない。

暇な時に会って遊んだり、ご飯たべるだけ。

カラダを求められても知らん顔。

「まだ、だめ」って断ってた。

「じゃあいつならいいの?」って聞けばいいのに、そういうと大抵の男は「ごめんな?」って私のご機嫌取りに回る。

いつなら、って聞かれたらすぐ言うのに。

「そんな日は来ないよ」ってね。





keiさんに集中したかった。

中途半端な気持ちじゃダメだと思った。

本気で好きになってもらわなきゃ、困る。

そうでなきゃ、keiさんは傷ついてくれない。

そのためには私も本気でぶつからなきゃ。





「ねぇ、朋子~。カズヤくんはどうしたの?」

大学の友達、沙智が携帯をいじりながら聞く。



「ん~どうもないよ?」


「連絡してあげなよ。でないと私にメールくる」


「沙智に?そりゃ迷惑だね」


「ちょっと他人事じゃないんだから」


「う~ん、でも私もうそういうことしないんだ」


「そういうことって?」


「キープとか、もうしないの」


「…また先生?」


「もう違うよ。先生は…過去」


「じゃあ他に好きな人?」


「う~ん…それも違うかな」


「朋子は複雑で分かんないよ」


「そう?」


「そうだよ。好きなら好き、嫌いなら嫌い、わかんないならキープでいいじゃん」


…まぁ、沙智らしいといえば、沙智らしいけど。


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