この恋、遊びにつき。
気がつくと、悠さんがきょとんとした表情で私をみていた。


「すみません、ちょっと感情的になってしまって」

「何か気に触るようなこといっちゃったのかな」

「いえ、悠さんは悪くないんです。昔のことを思い出してしまって」

「昔のこと?」

「昔の…知り合いに、悠さんが似てるんです」

「そうだったんですか」

「彼も同じようなことを言ってたから、つい。ごめんなさい」




「好きだったんだね、すごく」

「え?」

「彼のこと、好きだったんでしょう?」

「別にそういう訳じゃ…」



「朋ちゃん、3番テーブルの注文お願い」

レジからりえさんが呼ぶ。
よかった。助かった。




「すみません、失礼しますね」

「俺ももう帰るから、気にしないで」






…中山悠さん。謎。

なんで私の事こんなに分かるの?


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