桜の木の下で。
「明日の夕方5時に、桜の木の下に来て。」

咲良は俺の目を見ず、地面を見ていた気がした。

桜の木の下と言っても、これだけでは場所を特定出来ないが、ここの生徒は1発でわかる。

この学校にある、大きな桜の木のことだ。

「お、おぅ、わかった。」

俺がそう言うと、咲良は走っていった。

一瞬でわからなかったが、顔が少し赤く見えた。

そう言う俺も、きっと真っ赤だったと思う。
 

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