心の扉
「いやぁぁ!!!!!!」



扉の前で、泣き崩れる私は誰ですか!?



もしかして!?



貴方が私の『真実』ですか!?



・・・・なら



去って行く彼に伝えて!!



「嘘よ!! まだ、好きなの…」



・・・・と






あれから…



どの位、月日が経ったのでしょう?




コンコンコン…



私は、扉をノックします。



心の中の『真実』が泣いたので…



私は、嘘を1つだけ 迎えに来ました。




扉が、(カチャッ)っと開きます。




「随分、沢山いますね!? 私の嘘達!!」



私は、後ろの方で 私をじっと、見つめる自分の嘘に

そっと手を伸ばした。



彼女も、恥ずかしそうに 手を伸ばす。



指と指が、絡み合い



彼女は、(ニッコリ)と笑った。


私は、そんな彼女に最高の微笑みを返した。



そして、大きな声で言う。


『お帰りなさい!!私のたった1つの夢!!』




(バタン…!!)



扉が 閉まる。




私は… 彼女と共に、振り返る…



また、あの部屋の扉をノックする時…


私は、 どんな表情をしているのだろうか?


けれど…


なるべくなら…


あの部屋への住人を作るのではなく…



沢山ついた…心の嘘達を
迎えに行ける…


そんな、正直な私でいたい


そして、長い人生の中で いつしか…


セピア色に変わってゆく嘘達を…



「後悔」と言う お部屋の 私と共に…


思い出の扉の向こう側に そっと、送り出してあげたい…


そこには、小さな箱がありどんな事でも 浄化してくれると聞くから…





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