キミの隣に座っていたい
当日
とうとう文化祭の当日。
俺たち教師はトラブルとか起きてないか見回りぐらい。あとはクラス持ちの先生方はクラスの管理。
俺は3年の副担任のためちょいちょいクラスに行かなくてはならない
コンコン
「涼!見回りいいのか?」
狭い数学準備室に竜也がやって来た。こいつは絢たちの担任。
「まだ大丈夫。しかもまだ開始の時間じゃねぇ」
あと30分はある。
竜也は自分のデスクに着いた。俺の向かい側。
「そう言えは、涼に聞きたいことが」
「なんだよ?」
「俺と涼って大学の時からの親友じゃん?」
「そうだな。」
「まぁ俺はお前のこといろいろ知ってるわけで。」
何が言いたいんだよ?
「佐原のことも中学生ぐらいから知ってるから…」
「何が言いたい?」
「お前と佐原って従兄妹同士以外なんでもないよな?」
「そうだよ。俺と絢はだたの従兄妹同士。」
それ以上でも以下でもない
「そうだよな?」
いったいなんだよ?
そんな時、ドアがいきなり開いた。
「涼先!」
マナちゃんと絢が姿を出した。
絢は淡い青色の浴衣で、綺麗に髪を結えている。
綺麗…生きてた頃の叔母さんにそっくりだ
絢を見てそう思った。
「涼ちゃん?」
ぼーっと絢を見てたので、絢が不思議そうに首を傾けて俺を見ている。
「なんでもないよ。絢、綺麗だね?」
「あ、ありがとう…」
絢は顔を伏せてしまった。
「何しに来たんだ?」
「写真、撮りたくて」
マナちゃんはポケットからデジカメを取りだした。
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