キミの隣に座っていたい

「前年度の優勝者2人に出てもらいましょう!」

司会者がそう言うと、絢と春沢が出てきた。
その途端、叫び声に近い歓喜の声が木霊した。

絢は相変わらず人気だな‥春沢もだけど




「では、明日は私服公開していただきます!」

今年も私服か…最近絢買ってないよな?









その日の夜、絢はマナちゃんちに泊まりに行った。
そのため俺は、昔のバイト先でマナちゃんの叔父叔母にあたる人が経営しているレストラン『lily』に行った。

「こんばんは」

入ると、奥から百合子さんが出てきた。百合子さんとはマナちゃんの叔母。

「あら!珍しい!今りんが来てるわよ。」

りんはマナちゃんの姉で俺の幼馴染。この8月に結婚した。

「あっ!?涼じゃん!」

「よっ!」

りんの隣にはもちろん旦那さんが座っていた。

「今日、文化祭だったんでしょ?」

りんたちの邪魔をしてはいけないなと思っていると、りんから声を掛けられた。

「まぁ…疲れたよ。」

ホストみたいな格好させられたし

「あたしたち、明日見に行くんだ!マナにチケット貰ったから。」

「ふ~ん。」

「ふ~んって涼は、絢のこと心配じゃないの?」

心配?

「何の心配だよ?」

「明日、ミスコンの発表でしょ?絶対2連覇するわ!そしたら男がたくさんくるでしょ?」

「まぁ、それは確実だろ?でも、俺がいるからそこまで心配しなくても大丈夫だろ?」

「それはそうだけど…心配なのよ!」

りんがそこまで心配するとは…何かあるのか?

「わかったから!じゃあな」

りんたちと別れてカウンター席に座った。








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