キミの隣に座っていたい
気が付いたら、もうミスコンが始める時間になっていた。
もう、発表があったかな…今年も絢が優勝だろうな…
なんだろうか?この何とも言えない感じは…
はぁ…絢に彼氏とかができたら、ショックを受けるんだろうなぁ
コンコン
数学準備室に1つある窓を誰かが叩いている。
窓から誰だよ?
カーテンを開けると、外には今はやりの服を着た絢が息を切らして立っていた。
「どうした?」
そんなに慌てて…
「理由は話すから、早く中に入れて!!」
「わかった。」
絢を久しぶりに抱き上げた。
思ったより軽いな…
絢を準備室に入れ、椅子に座らせた。
「絢、何があった?」
俺が買っていたミネラルウォーターを絢に渡した。
絢は一口飲むと、口を開いた。
「実はね…今年もあたしと春沢くんが優勝したの」
やっぱりな…
「でね…今年の優勝者の商品が…一時間鬼ごっごをして、そして一時間後あたしと一緒にいた人とはあたしとデートできる権利を与えられるの…」
まぁ…大体はわかった。
「知らない奴とデートなんかしたくないよな?」
そう問うと、絢はうんと頷いた。
「涼ちゃん!窓とドアの鍵閉めて!お願い」
誰かが来たらやばいな…
「わかった。」
ドアと窓のカギを閉め、カーテンを閉めた。
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