キミの隣に座っていたい
「水瀬!いい加減にしろ!」
「佐原さんと従兄妹ではないことが佐原先生の秘密。それから…佐原さんは「言わないで!!」」
「絢!もう部屋に入るぞ!」
絢を抱き抱えるようにマンションに入ろうとした
「佐原さん、あなたのことが好きなんですよ!佐原先生!」
水瀬の声がはっきりと聞こえた。
絢が俺のことを?
部屋に入ると絢は俺に抱きついてきた。
「絢?」
「あたしと涼ちゃん従兄妹同士だよね?」
「…絢、大丈夫だよ…」
「きちんと答えて…」
涙声だ…
「…」
「言わないってことは…本当なの?」
そう言うと、絢は俺から離れた。
「絢…水瀬が言ってたこと…」
「本当だよ…
あたし、小さいころから涼ちゃんのことが好き…」
「絢…俺は…」
俺にとって絢は…
「ごめんなさい…急にこんなこと従兄妹から言われても困るよね?忘れて…」
「絢!」
「今日マナちゃんの家に泊まるね?」
そう言うと、絢は自分の部屋に入り、荷物を持って出て行った。
俺は止めることも、追いかけることもできなかった…
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