キミの隣に座っていたい

「絢、お父さんとお母さんに最後の挨拶をしなさい」

俺の母親が俺にしがみついて今にも泣きそうな絢に言った。


「涼。連れて行って」

絢連れて、遺影の前まで言った。



「絢。」

「パパ…ママ…」


絢が泣き出した。

「パパ…ママ…ひっく…どうして絢を…ひっく…置いて…いくの…?」


会場に響くぐらい泣き出した。

俺は絢を抱きかかえて、母たち親族がいる席まで行った。

「涼、絢を外に連れて行きなさい。」

と父。

 絢を宥めろってことか…


俺は頷いて外に出た。絢の背中をポンポンと撫でた。




 まだ、小学生なのに…
< 5 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop