キミの隣に座っていたい
その時、玄関のチャイムが鳴った。

「俺が出てくる…」

絢が動けそうになかったので、俺が動いた。




「こんばんは…」

来たのは、りんとマナちゃんの母親の幸子さんだった。

「もう、話したの?」

「はい…上がってください。マナちゃんたちもいますから…」

いつもなら片づけているスリッパを急いで出した。

「待って、涼くんに会わせたい人がいるの…」

俺に会わせたい人?

「池野さん」

幸子おばさんは、玄関に一人の体格のいい老人を連れてきた。

「はじめまして、佐原涼です…」

とりあえず、挨拶しとかないとな

「涼くん…はじめまして、じゃないわよ」

「えっ!?」

「こちらは…涼くん、あなたのお祖父ちゃんよ!」

俺の祖父?

「わしは、京介の父親だ…」

俺の祖父だと名乗る老人は俺の顔を触れた。

「鼻と目が京介にそっくりじゃ…」

祖父の目に涙が見えた…





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