キミの隣に座っていたい
それから、遅くなる前に祖父は幸子さんが連れて帰った。
「涼ちゃん…」
「あっ…どうした?」
絢が戻って来たんだった…
「どうするの?」
「今考えてる…」
それよりも…
「絢…」
「何?」
流しの中にたまっているコップや皿を洗っていた。
「期待させる言い方かもしれないけど…待ててくれないか?」
「何を?待つの?」
俺は立ち上がって、後ろから絢を抱きしめた。
「絢が卒業するまで、待っててくれないか?」
絢の動きが止まった。
「俺にも時間が欲しい…気持ちの整頓もしたいから…絢が高校を卒業するまで…」
「期待していいの?」
絢が涙ぐみながらそう言った。
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