キミの隣に座っていたい
高速道路で一回休憩をして、ある田舎町についた。
「ここ…」
俺たちの目の前には、青くて広い海が広がっている。
「絢…こっち」
絢の手を引き、少し小高い丘に登った。
「お墓…?」
この丘は墓地になっている。
「あった…」
俺は1つのお墓の前で足を止めた。
「このお墓…」
絢が墓石に書かれている文字を見てつぶやいた。
「この墓は俺の生みの親たちのだよ」
何年ぶりにここに来ただろう…
「お花とか持ってきてない!」
「いいよ、そんなの。
それより絢…」
絢の手を握った。
「俺、祖父さんの願いを叶えてやりたいと思ってる。」
「涼ちゃんがいいなら、あたしは賛成だよ…」
少し沈んだ絢の声が耳に響いた。
「2年…」
「えっ?」
「2年間だけ…俺は佐原から池野になる。」
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