キミの隣に座っていたい
それから、絢は俺の家で住むことになった。
何年か経ち…
俺が教師になった年、絢が中学2年生だった年。
俺の両親が亡くなった。
6月の梅雨。雨が降っていた日。
絢と俺の両親が祖母の家に行った、帰り道だった。
反対側から大型トラックが突っ込んできた。
運転手の居眠り運転が原因だった。
運転をしていた父は即死、後部座席に座っていた母は隣に座っていた絢を守るように覆い被さっていたらしい…
絢だけは奇跡的に何針か左腕を縫う怪我と左足の骨折だけだった。
俺が病院に駆けつけた時、まだ母は息をしていた。
「りょ‥う…」
「何?母さん」
母は酸素マスクをしてしゃべりにくそうに見えた。何本も管などをつけていた。