キミの隣に座っていたい
「あっ!」
「どうしたの?涼ちゃん」
いきなり大きな声を上げた俺に、びっくりして絢が顔を上げた。
「今何時?」
「12時過ぎだよ?」
まだ、行くとこあったんだ!
また絢の手を引いて、丘を下り車に乗って発進させた。
「今度はどこ行くの?」
助手席に乗ってる絢が首をかしげながら、尋ねてきた。
「親父たちの墓。俺たちのこと報告しないとな」
絢の頭をぽんぽんと撫でた。
「報告って!?」
絢が顔を真っ赤にさせた。
漫画でいうと、頭から煙が出てるみたいだな
「着いた…」
ここに来るのも久しぶりだな…
絢と手を繋いで、お墓まで歩いた。
「久しぶりだな、ここに来るの。」
「そうだね…」
少し避けてきたのかもしれない…親父たちが亡くなったのを受け入れられなくて…
俺はお墓の前で手を合わせた。
隣にいる絢も手を合わせた。
父さん、母さんそれから叔父さん叔母さん
これからもずっと絢を守っていきます。それから将来、この先ずっと
絢の隣には俺がいます…
『キミの隣に座っていたい』
【完】