【実話】愛してたよ
辺りはすぐ暗くなり、あたし達は遊園地を後にした。
帰りの車の中も楽しいひとときで。達哉は車の中で手を握ってくれて、あたしはドキドキしっぱなしだった。
楽しいから帰り道なんてあっという間で。あたしはなんだか泣きそうになった。
達哉は、そんなあたしに気づいたか気づかないのか、
「ちょっと、俺たちが最初に行った海に行かない?」
って聞いてきた。
「うん。」
あたしは嬉しかった。
車を走らせてしばらくして、海に着いた。
「早く夏にならないかなぁ。じゃあ泳ぎに行けるのにな。」
達哉が言った。一緒に行きたいって言いたいのに、言えないあたし…。