【実話】愛してたよ

辺りはすぐ暗くなり、あたし達は遊園地を後にした。

帰りの車の中も楽しいひとときで。達哉は車の中で手を握ってくれて、あたしはドキドキしっぱなしだった。


楽しいから帰り道なんてあっという間で。あたしはなんだか泣きそうになった。

達哉は、そんなあたしに気づいたか気づかないのか、

「ちょっと、俺たちが最初に行った海に行かない?」

って聞いてきた。


「うん。」


あたしは嬉しかった。


車を走らせてしばらくして、海に着いた。


「早く夏にならないかなぁ。じゃあ泳ぎに行けるのにな。」


達哉が言った。一緒に行きたいって言いたいのに、言えないあたし…。


< 19 / 39 >

この作品をシェア

pagetop