音楽的秘想(Xmas短編集)
♪Making me happy is you
「うわー……今日も冷えるね。そういえば12月も、もう終わりだもんね。」
こたつに入ってテレビを見ていた時。隣に座る君が、寒そうな両手を小さく擦り合わせた。
8月生まれの君は、どうも冬が苦手らしい。誕生日に僕がプレゼントした厚手のシャツに腕を通しているにも関わらず、更にその上に上着を羽織っている。「寒い寒い」と連呼しているクセに、傍らのビールに手を伸ばす表情は笑顔だ。
「……もしかして、風邪?」
心配して尋ねた僕に、君は「そんな筈ないじゃん!」と強気に答える。例え風邪をひいていたとしても、君の性格じゃあ何にもないように振る舞うんだろうな。ふと、そう思った。
「何笑ってんのー?」
「別に?それよりさ、何処行きたいか決めた?今日までに決めるって言ってただろ。」
「うん!私、ここが良いな。やっぱ年末年始はさ、温泉浸かってゆっくりしようよ!」
ガラス細工を抱えるように鞄から取り出したのは、付箋の付いた旅行雑誌。僕との旅行をとても楽しみにしてくれているんだと分かる。
──君の些細な行動は、いつも僕を笑顔にさせるんだ。
こたつに入ってテレビを見ていた時。隣に座る君が、寒そうな両手を小さく擦り合わせた。
8月生まれの君は、どうも冬が苦手らしい。誕生日に僕がプレゼントした厚手のシャツに腕を通しているにも関わらず、更にその上に上着を羽織っている。「寒い寒い」と連呼しているクセに、傍らのビールに手を伸ばす表情は笑顔だ。
「……もしかして、風邪?」
心配して尋ねた僕に、君は「そんな筈ないじゃん!」と強気に答える。例え風邪をひいていたとしても、君の性格じゃあ何にもないように振る舞うんだろうな。ふと、そう思った。
「何笑ってんのー?」
「別に?それよりさ、何処行きたいか決めた?今日までに決めるって言ってただろ。」
「うん!私、ここが良いな。やっぱ年末年始はさ、温泉浸かってゆっくりしようよ!」
ガラス細工を抱えるように鞄から取り出したのは、付箋の付いた旅行雑誌。僕との旅行をとても楽しみにしてくれているんだと分かる。
──君の些細な行動は、いつも僕を笑顔にさせるんだ。