おおかみは羊の皮を被らない

アイススケートで(side:遠矢)

(side:遠矢)


取引先からアイススケート場のチケットをゲットし、美彩をデートに誘う。

「……寒いから、ヤダ!」

お、これは俺の期待するイチャイチャが可能かも。
何としても行って、俺に頼る美彩を見てみたい!

「温泉も、あるみたいだよ?」

何故か、温泉に目を輝かせる。

「美彩、温泉が好きなの?」

「……混浴は嫌い!」

残念ながら、スケート場施設に混浴はないよね。
俺でもそこまでは考えてなかったけど、突っ込まないでおこう。

くふふ……スケートでイチャイチャするんだ。
助けるふりして、イロイロ触れて……楽しみだなぁ。


当日。
スケート靴を借りて、履き替える。

「遠矢、早く!!」

美彩は慣れた感じで履き終わり、俺の前に立つ。
そして俺の腕を引いて、ウキウキの速足。

ま・さ・か?

美彩はリンクに入ると、猪突猛進……
俺を無視して、独りで楽しんでいる。

……美彩、可愛く転んで助けを求めるとか……ないの?
本当に寒いから渋っていただけか。

くすん……もう二度と来ない!!

「遠矢、滑らないの?ふふ……楽しいねぇ。連れてきてくれて、ありがとう。」

後ろ滑りを優雅にしながら。
吐く息は白く。可愛い笑顔。

くそぅ……かわいい!
いつでも連れてきてやるぜ!!


その後、温泉に入り。
良い匂いの美彩も堪能できて。

こんな日もいいなぁ、と思った……




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