おおかみは羊の皮を被らない

本気だから!( side:美彩)

( side:美彩)


毎日が戦いだった。
それは愛しい人と共に時間を過ごし、未来を守るため。

遠矢と一緒に……
でも、何かが足りない。

増えた感情が、毎日のように募っていくのに……何か……
うぅん、きっと試練。

未来のための戦い……遠矢の子を望む。
未来……呪いを解放する役目を担う子ども達の辛さに、私たちは耐えることが出来るだろうか?

愛しい人との子……
護れるだろうか?見守れるだろうか?助けてあげられるだろうか……


「きっと幸せになれる……あなたは……」

夢の中、懐かしいような安心するような……声……

そうね、幸せになるわ。
必ず。


「遠矢には不釣り合いなのよ!」
「さっさと別れて!」

同級生や年下……時に、先生までが。私に、そう言うの。
今も私自身には自信などない。けれど。

「嫌よ!ふふ……うらやましい?呪いなの。遠矢は私以外に無関心。私しか、女じゃないの。私は遠矢の子を産むわ、たくさん。それが彼の望み。幸せも辛さも見守る……闘うの!今も、これからも!!」

遠矢の愛情が欲しくて呪いを望み、ずっと幸せが続くのか不安になり呪いを恐れ……
共に生きる。一生、あなた一人。あなたも私だけ。

こんなの辛さじゃない。
私が我慢すればいい……


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