取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「じゃあ今夜まで我慢するか」
「我慢って」
 なんだか恥ずかしくて優維は布団をかぶる。

「我慢は慣れてる。結婚してからずっと我慢してきたんだからな」
「そんな……」

「君が寝てるときはむしろありがたかった。あきらめやすいから。起きていたら襲いたくてたまらない」
 優維は思い出してはっとした。
 いつだったか、眠っている優維を見て「良かった」と言ったのはきっとそういうことだ。

「これからは容赦しないよ」
「や、優しくしてください」
「鋭意努力する」
 彼はそう言って優維とキスを交わした。
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