取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
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翌日、会社から帰ったポストにあった手紙を手に首をかしげた。
ピンク色のかわいい封筒で、差出人は書かれていない。
友達なら連絡はスマホに来るはずだし、業者のDMにも見えない。
あとで見よう、と自室に置いてから台所に行く。
直彦はすでに帰っていて、シャワーも終えて茶の間でテレビを見ていた。
「千景くんは?」
「やりたいことがあるからって社務所でパソコンいじってたぞ」
「そっか」
すぐに帰るだろうと思い、夕食の準備をすませる。
だが、まだ千景は帰らない。
気になってスマホに電話をかけるが、留守録に繋がってしまう。
「呼んで来るから先に食べてて」
直彦に言って社務所に向かう。と、境内の木の陰にいる千景を見つけた。
声をかけようとして、ひとりではないことに気が付いた。姿は見えないが話し声が聞こえる。
「……という状況で」
「そっちが駄目なら別ルートを……」
なにを話しているのかわからない。だが、よくない話のような気がする。
「あんた、危ない橋渡ってるねえ」
男が揶揄するように言う。
「私より、あなたがバレないように気を付けてください。ではこれで」
千景がふいに振り向いた。