《DOOM》
「ねぇー! 聞いてよ、聞いてよ〜」
「はいはい。何ですか?」
いったんはヘッドホンを外してダルそうに返事をしたアキトだが、また速攻でヘッドホンを耳に戻した。
「つうか……聞く気ないでしょ……?」
「えっ? 何?」
またも、いったん片耳だけ外し、すぐさま元に戻した。
「もぉーう、ヘッドホン外せよ〜」
読書に集中出来ないハルタが見かねて、立ち上がりステレオに手を伸ばす。
「ナオヤさん、こういう時は元を切ればいいんですよ。ポチッとな」
「ああー、やってくれたね! ハルタめっ」
ハルタに反撃を仕掛けようとアキトが立ち上がりかけた時、しびれを切らしたナオヤが大声をあげた。
「いいからぁぁ、二人とも聞いてよぉぉ!」